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特に知っておきたい不動産の種類

特に知っておきたい不動産の種類

こんにちは、葉山です。REIT(REAL ESTATE INVESTMENT TRUST)、すなわち、不動産投資信託が初めての人に向けて、今回はREITが投資する不動産の種類に関して詳しく書いていきます。

REITが投資し、保有する不動産の種類は多岐にわたり、多くの人がイメージできるオフィスビル、商業施設、マンション、倉庫やホテル以外にも老人ホームや再生可能エネルギーの発電施設などがあります。これら以外にも海外では開発途中の案件、刑務所、電線、住宅ローン、個人向けストレージ、そして森林などに投資しているREITがあります。

1.オフィスビルとは

1.オフィスビルとは

既述の不動産の種類の内、日本だけでなく、全世界のREITにおいて最も多く保有されているのはオフィスビルで、主に借りた場所で事業を行う法人がテナントになります。そのため、駅の近くやオフィス街など多くの人が知っている都市やエリアに投資先が集中しています。

オフィスビルの特徴は、好況不況時で賃料や空室率が大きく変わることです。好況時には賃料の上昇や空室率の減少が目に見えて増えてきます。REITでは、そのような好況不況時でも強い大都市圏の駅前のランドマークになるような物件の保有を目指しています。ランドマークになるような大型物件を専門に投資しているREITがある一方で、中小型のビルを多く保有し、日本の法人の内、95%を占める中小企業向けに事務所を貸しているREITもあります。テナントの数が多く、物件やスペースの分散ができるため、不況時に退去があっても収益のブレが出にくいのが特徴です。一方で、中小型ビルは全国に多く、同様のサービスを提供するREITや不動産オーナーが多く、差別化が図りにくいのが欠点です。

REITが保有する物件の所在するエリアについて東京で考えると、主に千代田区、中央区、港区の3区が好まれ、新宿区、渋谷区、品川区もそれに続いている状況です。東京だけでなく、横浜市、千葉市やさいたま市だったり、大阪市、名古屋市、札幌市、福岡市や仙台市などの政令指定都市や首都圏もそれに続いています。不動産投資において、立地は後から変えられないため、非常に大切なファクターのため、保有している物件の立地はREITに投資する場合にはキチンと確認する必要があります。例えば、2020年の東京オリンピック以降不景気になると言われていますが、利便性の高い都心立地にテナントがさらに集まってくる可能性があり、その場合、郊外の事務所ビルを持っているREITの稼働率や賃料が下がり、収入が減る可能性が高いです。その他、オフィスビルの特徴としては貸しスペースの大きさだけでなく、その形状、天井高や空調が全館空調なのか、個別空調なのか、共用部分のトイレの管理はどうか、エントランスのグレード感なども気にするテナントもいます。

2.マンションや共同住宅とは?

2.マンションや共同住宅とは?

一方で、収益の安定性という意味で、オフィスビルの対極に位置しているのがマンションです。特に、賃貸マンションへの投資が多くを占めています。中には、小型の共同住宅を保有しているREITもあります。しかし、大部分のREITは効率を考え、ある程度規模のある共同住宅へ投資を行っています。このような住居系の不動産は不況期にも強いとされています。なぜなら、不況の際も、人口がそれほど変わることが無いため需要が減少しにくく、また、賃料の支払いを最優先する傾向が強いため、滞納等が他の資産と比べて少なく、収入が安定しているからです。

賃貸マンションの収益の安定性を考える時に、立地の考え方は非常に大切です。居住エリアとして人気のエリアと言えば、オフィス同様都心5区や品川、目黒、世田谷、文教区などもあります。その他、今の状況を踏まえると、千葉、埼玉や神奈川県を含めた、東京圏に関して物件を保有するケースがいいとされています。このほか、大阪、名古屋、札幌、福岡や仙台などの政令指定都市も候補として挙げられます。

多くの人がご存知の通り、賃貸マンションには、単身者向けのシングルタイプや家族向けのファミリータイプなど間取りや専有面積に違いがあります。最近はカップルや子供のいない夫婦向けにDINKSなどもあります。これら複合的に保有しているREITもあれば、単身者だけのサービスに特化したREITもあります。シングルタイプは平均居住期間が2年間と短いため、募集や原状回復など入れ替えに掛かる費用が多く、REITの中には関連会社にお金を落とすために、単身者向けの共同住宅へ投資している所もあるかもしれません。一方で、ファミリータイプのマンションの場合、平均入居期間は5年程度と単身者向けのマンションと比べると長く、収益が安定しています。但し、低金利を使ったマンションや戸建ての購入が多い昨今では、賃貸をしていた家族が毎月の支払い額を検討した結果、賃貸マンションから分譲マンションに移るケースもあるようです。また、民泊のような短期間ではありませんが、家具付き賃貸でサービスアパートメントとして運営している物件を保有しているREITもあります。この場合、REITは物件を保有するのみで、運営は別会社が行っているケースが大半です。

立地や間取り以外にも、都心であればあるほど最寄り駅までの距離や建物の築年数が問われてきている。スーモやホームズなどの募集サイトを見ていると人気の趨勢が分かってきます。例えば、単身者やDINKS向けマンションの場合、最寄駅から10分以上あると極端に嫌われる傾向があり、会社までの通勤時間も考慮して、住むところを決めている傾向があります。一方で、ファミリー向け物件の場合、最寄駅から10分以上であっても駐車場や周辺の施設次第では需要を喚起することができます。そのため、通勤時間は単身者と比較して、考慮されているケースが少なく、どちらかと言えば、始発の駅など座っていけるが問われるケースもあるようです。特に建物の築年数に関しては、20年以上の物件はよっぽどデザインが優れ、アンティーク物件になっていたり、リノベーションをキチンと入れ、見た目だけでなく、設備関係の修繕が行われていない場合には、経済条件が良好でないと難しいようです。REITが保有する物件はこういったややこしい作業がいらないように、築浅の物件を購入するケースが多いようです。

3.商業施設や物流施設について

3.商業施設や物流施設について

その他、投資する場合には慎重に選んでほしいやや落ち目の商業店舗や関連施設への投資を行うREITとその裏でECサイトなどの影響で需要が高まっている倉庫などの物流施設への投資を行うREITについて説明します。

商業施設は、近年アマゾンや楽天を中心としたECサイトの台頭により、アウトレットや郊外型ショッピングモールなどの状況は良くないようです。インバウンドで潤っていた百貨店ですら、不動産事業で儲けていたり、本業から儲けはあまり期待できない状態になっています。ニュースで減益の文字が結構出始めています。都心に出店で勢いのあるのはニトリぐらいになってきています。それすらも以前のユニクロやH&M、FOREVER21などのように見えてしまいます。景気が悪くはない今のタイミングで都心に出店し、景気が悪くなった時にどのようなことになるか、よく考えないといけません。

一方で、商業施設が傾く中、好景気も相まって元気なのが物流施設です。個人的にも、このタイプの資産を保有するREITはお勧めです。特に、貸主でも借主でもない、商品などの荷物を置くためのスペースを確保したいEC事業者などの第三者のために場所を用意する3PL事業が拡大しています。もちろん、力のある所は自分で商品を保管するための倉庫を借りているケースも多々あります。

倉庫などの物流施設と言えば、最近のアマゾンなどで問題になった翌日、即日配達を実現するために配達先に近い物流施設が好まれるようです。もちろん、海外から送られてくる荷物をすぐに保管できるように、港や空港など近い事もその選考理由にはなっており、最適なのは空港や港と配達先の間にあり、大型トラックなどのアクセスがしやすい物流施設が好まれています。

個人的に考えている物流施設のメリットは、オフィスやマンションなどの他の施設と異なり、倉庫を建てる開発期間が短く、設備がそこまで多くないため、建築費は比較的安くなる傾向があります。さらに、保有中もテナントに軽微な管理を任せるケースが多く、REIT自体では管理やメンテナンスを行うことが特に無く、結果的に運営コストが低くなる傾向があります。このような手間がかからない状況であり、テナントとの長期契約を締結するケースが多いため、収益が見えやすく安定している傾向があります。結果的に、もしREITに長期で投資を行う場合には、非常に向いているアセットタイプと言えそうです。

一方で、物流施設のデメリットとしては、テナントの多くが法人かつ自社商品を保管したいニーズのある所のため、マンションやオフィスなどと比較すると世の中にテナントの数が少なく、空室期間が長くなるケースがあります。ただ、そのあたりもテナントが見つけやすい間口の広く、立地のいい物流施設の開発や保有がいいREITの条件になってきます。なぜなら、汎用(はんよう)性が高く、立地のいい物流施設は利便性が高く、テナントへの強気の交渉ができるため、長期の契約を締結しやすく、長期で安定した収入を得ることが可能になるからです。

物流施設において、立地がいいとはインターチェンジが近く、高速道路へのアクセスが良い事を言います。このようなエリアは郊外にあるケースが多く、土地の値段が安いため、他の資産と比べて相対的に建物価格の割合が高くなる傾向があります。また、物流施設は償却年数が他の資産と比べて短いため、減価償却が大きくとれ、現金が手元に多く残りケースが多く、配当の一部には利益超過分が含まれるケースもあります。建物の減価償却の取り扱いに関しては専門ではありませんが、建物部分の修繕費に使うケースもありますが、物流施設はこの費用が少なくて済むのも配当政策の幅が広がり、投資家にとっていい資産と言えそうです。

以上が、REITが投資する不動産の種類の中で、特に確認してほしい点です。REITへの投資は長期にわたるケースが多いため、まずはオフィス、共同住宅と物流施設を三つに関して理解を深めることが投資を成功させるために必要だと思ったので、詳しく書きました。

大学院で街づくりを学び、不動産証券化初期の頃より、鑑定、融資や投資業務に関わり、現在は、不動産投資個人の物件だけでなく、仕事としても収益物件の管理を行っている個人投資家。
本業は2017年春より、玉突き人事にて、外資系企業社長に就任。
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