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本当に非課税?NISAでも税金がかかる場合がある

本当に非課税?NISAでも税金がかかる場合がある

株の知識レベル:

NISAといえばどんなに儲かっても非課税!というイメージを抱くことが多いでしょうが、意外なことにNISA口座を利用した取引をしていても税金を取られてしまうことがあるのです。
では、いきなり課税されて驚くことにならないよう、取引を始める前に「NISA口座にまつわるものでも課税される場合」を確認してみましょう。

まず「非課税枠」を正しく理解する

まず「非課税枠」を正しく理解する

NISAの非課税枠は2016年より「年間120万円」となっています。
これは、120万円の儲けまでは非課税になるという意味ではなく、投資する時価が120万円まで
という意味です。
つまり120万円で買った株式などにより儲かった金額がいくらでも非課税になりますが、120万円の投資額を超えて購入した分は儲けの多寡を問わず課税されてしまうことになります。

たとえばある証券会社では、120万円を超える投資信託の注文を出した場合、画面上に「NISAの枠を超えています」というメッセージが出て、自動的に120万円までをNISA口座で、超えた部分を課税口座(特定口座・一般口座)で取引したものとして振り分けられる、としています。

いったん使ってしまったら枠は復活しない

もしその年の投資額が非課税枠に届かない場合、その分の残額を翌年に持ち越すことはできません。
つまり、その年に100万円しか使わなかったからといって、翌年に残り20万円をプラスして140万円になるわけではないのです。

よって、NISAで取引する場合は非課税枠を年内に無駄なく使うこと、その年の途中で不本意な売却をする羽目にならないような銘柄選びを心がけて投資計画を立てなくてはなりません。
そのような意味で、投資初心者がNISA口座を利用する際にあまり短期に売り買いするようなハイリスクな商品を選ぶことはおすすめできません。

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配当金の受取方法によっては課税される

配当金の受取方法によっては課税される

高配当株狙いの人にとって特に注意したいのが、「配当金の受取方法を間違えるとNISA口座での取引分が課税口座と同じように課税されてしまう」という点です。配当金の受取方法には3種類あります。

まず、「郵送されてくる配当金領収証を持参し、ゆうちょ銀行や郵便局で受け取る」方法です。全国どこにでもある郵便局で配当金が受け取れるという点でとても便利ではあるのですが、税金の上では20.315%課税され不利になります。

そして、「指定した銀行口座に振込んでもらう」方法です。配当金を一括して管理したい場合などには便利なのですが、これも同じく課税されてしまいます。

唯一非課税になる方法が「証券会社の取引口座で受け取る」方法です。証券会社ごとに配当金の行き先がばらけてしまう欠点はあるものの、せっかくNISAでお得な取引をする準備をしたのであれば、配当金までしっかり非課税にすることを心がけたいものです。

受取方法を変更することもできる

もう銀行振込などを指定しているからどうしようもない?と不安になる人もいるでしょうが、受取方法の変更も可能ですので気付いた時点ですみやかに行いましょう。「権利確定日」といって「株主として株主名簿に記載され、それによって株主優待や配当などの権利が確定される日」があります。

それに間に合うように「証券口座に入金する」方式に変更しておけば、非課税で配当金を受け取ることができます。

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5年経過後、口座を移管する場合に注意

5年経過後、口座を移管する場合に注意

上記のとおり、非課税となる期間は5年間ですが、それを過ぎた場合は課税口座に移すこともできますし、新たなNISA口座に移すこともできます(=ロールオーバー)。

この時にはどちらに移管する場合でも移管する際の時価がその後の「取得価格」として扱われます。つまり、いったん売って新たに同じ商品を買い直したのと同じことになるのです。

儲けていないのに課税されることがある

これは移管の際に気をつけなくてはならない大切なポイントですので確認しておきましょう。
たとえば、当初NISA口座を使って購入した株式(取得価格100万円)が、5年の満了時に80万円まで値下がりしてしまったとします。
その状態で課税口座に移管する場合は上記のように移管の際の価格が取得価格とみなされるため、この場合は「80万円」となります。

その後、株が値を戻して100万円になった時に売ったとすると、現実にはまったく儲かっていないにもかかわらず「20万円の儲けが出た」とみなされてしまうのです。具体的には売却益の20.315%ですから40,630円課税されることになります。

株の値動きを見ながらもし5年の非課税期間満了時に値が下がっているようであればNISA口座へのロールオーバーを選択した方がよいでしょう。

まとめ

NISA口座を使えばどんな場合も無条件に非課税と思っていると大きな落とし穴にはまってしまいます。
上記の点に注意しながら、なるべく無駄な税金をカットしていくのがNISA制度の恩恵を十分に受けるためのコツです。

現職の司法書士(実務経験14年)、ライター歴3年。
資格は司法書士、宅地建物取引主任者、2級FP技能士、モーゲージプランナー(住宅ローン専門資格)。
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