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受動喫煙対策/法案成立は秋の臨時国会に持ち越しか

3月初頭からからタバコ規制が話題になっている。厚生労働省が受動喫煙対策のため、健康増進法の改正案を提示したことがきっかけだ。この喫煙規制は思わぬ飲食店規制につながり、波紋が広がっている。

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喫煙規制で飲食店に補助金?

健康増進法の改正案は、公共の屋内での禁煙を定めたものだが、特に飲食店での禁煙規制が俎上(そじょう)に上った。当初案では全面禁煙としていたが、強い反発が出たため、居酒屋や食堂ではないバーやスナックで、かつ30平方メートル以下の店舗は規制の対象外とするなど、細かい点を修正した案を提示した。しかし、それに対して「焼き鳥を出すスナックはどうなのか?」「そもそも地方には30平方メートル以下のバーはほとんどない!」など新たな反発を生み、収拾がつかなくなっている。

「この問題は局長以上の間で、水面下で協議しているところ。上が動いているとき、われわれ現場の人間が動いてはならないのは霞が関の流儀。だから<どういう状況かすら、知らされていません」(厚労省の課長補佐)。

禁煙論議は常に喧々囂々(けんけんごうごう)の声が上がるが、いつも以上にこじれているのは、飲食店規制だからだ。通常はJT(2941)や農協(タバコ農家)が反発するが、今回は飲食店業界が異を唱え、多くの国会議員が反対に回った。

厚労省が禁煙規制を急ぐのは、東京オリンピックまでに受動喫煙対策を講じておかねばならないためだ。既にタバコ枠組規制条約が発効しているが、日本の対策状況は世界でも最低ランクだとWTOから指摘されている。訪日外国人を受け入れるためにも、制度を整備しなければならないとして、塩崎厚労相の指示の下、規制強化に動いている。

厚労省としては、2019年9月のラグビーW杯までに施行させたい意向で、今国会での法案成立を目指している。ところが、自民党内に反発が強く、国会提出すら危うい状況となっている。「JTはロビー活動を強め、危機感を高めているかのようにふるまっているが、本音では『この分では今国会の成立は無理だろう』と内心ではホッとしている」(政治部記者)。

そのため既に、法案成立は秋の臨時国会に持ち越しというムードが高まっている。しかし、厚労省内では次の段取りも進められている。「法規制をする以上、飲食店に禁煙対策のための補助金を出さねばならない。そのための予算づくりが必要だ」(前出・課長補佐)。

おわりに

この分だと、しばらく禁煙が話題となり、相場的には、電子パイポのマルマン(7834)、ニコレットのタケダ(4502)、シガノンの大正製薬HD(4581)といった禁煙銘柄や、電子タバコのトランザクション(7818)がことあるごとに注目されるのだろう。

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