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郵便局ネットワークが基盤【第2回】

郵便局ネットワークが基盤【第2回】

持ち株会社の「日本郵政」と、傘下の「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」「日本郵便」からなる日本郵政グループは、上場前の2015年8月に2016年3月期の第1四半期(4―6月期)決算を発表しています。連結経常利益を傘下企業別で見ると、ゆうちょ銀行が47%、かんぽ銀行が44%を占めています。

一方、ゆうちょ銀行、かんぽ銀行から対価(代理業務手数料)をもらって、郵便局の窓口で顧客取引を担う日本郵便の比重は5%にとどまっています。郵便事業立て直しの一環として、約6000億円を投じて豪物流大手「トールホールディングス」を買収しましたが、現状で、グループの「屋台骨」を背負う存在が、ゆうちょ銀行であり、かんぽ生命です。そして、グル―プ全体の経営戦略策定を担う日本郵政を合わせた3社が2015年秋に上場しました。

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「屋台骨」支える金融2社

「屋台骨」支える金融2社

もう少し詳しく見ていきましょう。まず、ゆうちょ銀行ですが、2015年3月末現在の預貯金残高177兆7107億7600万円は、例えば三菱東京UFJ銀行(124兆5909億円)を4割方上回る断トツの存在です。また、直営店数ではメガバンク各社には見劣りしますが約2万の郵便局ネットワークを含めれば、圧倒的なスケール感と言えるでしょう。

1990年代に銀行「不倒神話」が崩れて以降、国民にとっては、政府に預けるのに似た安心感がゆうちょ(郵便貯金)志向を強めさせたようです。その一方で、民業圧迫批判も強いため、貸付業務などは認められておらず(2012年9月認可申請中)、預かった資金を有価証券運用するビジネスモデルとなっています。いわば、「巨大な投信会社」のようなイメージです。4―6月期決算では外国債券や投資信託などリスク資産残高の増加ぶりが注目を集めました。

かんぽ生命、新業務にも展開

かんぽ生命、新業務にも展開

一方かんぽ生命は、同社の保有契約高に、管理受託している簡易生命保険契約の保険金額を加えると100兆円を超える規模となり、日本生命、第一生命に次ぐ国内最大規模の生命保険会社です。2015年3月末の資産総額(84兆9119億4600万円)で見れば、日本生命の62兆2830億400万円を3割以上、上回るなど業界でも断トツの存在です。郵便局ネットワークに支えられた強力な販売チャネルはもちろん、バランスシートの健全性、質の高い資本基盤などが競争力の源泉とされています。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉の際、しばしばやり玉に挙げられたのも、こうした強さの裏返し、とみることもできるでしょう。やはり民間への配慮から、新規業務については制約を設けられていますが、法人向け商品の受託販売や学資保険の販売開始など、認可取得による追加も徐々に進展しつつあるようです。

おわりに

日本郵便をテコ入れ

そして、傘下の3社株式を現在100%保有しているのが、日本郵政です。グループ戦略を立案、実行し、当面は日本郵便のテコ入れなどに力を注ぐ一方、不動産、かんぽの宿、病院、メルパルク結婚式場なども手掛けています。

さて、次回は海外での郵政事業の上場例などについても見ていきたいと思います。

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